予知性を高めるエーカースクラスプの設計システム

 パーシャルデンチャーの予知性を高めるには、鉤歯保全のためのガイドプレーン設定基準を明確にして、確実な拮抗を確保する必要がある。我々の行った鉤歯保全に有効な支台装置の設定基準に関する一連の研究結果に基づき、臨床で最も使用頻度の高いエーカースクラスプの設計基準を構築した。鉤歯保全には着脱時に維持腕の維持領域として求めたアンダーカット量分だけ維持腕が確実に撓む設計が求められておりで、

① 鉤歯の拮抗位置が維持領域を通る対角線上の位置に存在し、
② クラスプの拮抗部位は撓みの生じない拮抗腕鉤肩部、
③ 拮抗角度は維持領域を通る対角線に対して直角、
④ 上下的拮抗距離は維持腕が着脱時に歯面と接触する上下的距離とする、

以上4条件をみたすガイドプレーンの付与が必要である。
これは、クラスプデンチャーの予知性を高める重要な条件である【図35、36】。

図35
図36